二百文字小説【小さな玉手箱】
《78.積読》

 私は本を大量に手にしている。読みたくても時間が足りず読めていない。

 母も読書家で本を積んでいたりする。

「本を売りに行くけど、あなたは行く?」

 私は首を振る。だって私の部屋には売りたい本はないから。

「あなた、本がたくさんあるって言ったじゃない」

 そんな母の追撃に、私は携帯電話を突き出した。

「本は全部この中」

 そう、これが現代の読書で生まれた積読のかたち。

 私が登録したお気に入り小説たちは今日も更新されている。
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