初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
それから、眞彩は出産まで入院を余儀なくされた。
「眞彩」

俺は毎日のように眞彩の病室を訊ねた。
年が明け、朝晩の冷え込みも和らぎ、頬を掠める風にも温かさが少しずつだけど感じられるようになった。中庭の桜の木の蕾はまだ固いが春はそこまで来ていた。

蓮と日葵さんの間には男児が誕生し、桐生会長は大喜びしていた。

「後、少しの辛抱だ。眞彩」

「うん」

俺は大きくなった眞彩のお腹に摩った。

「大泉先生から訊いたわよ。この子の為に頑張ってるって・・・」

「まぁー執刀するのは高木院長だからね・・・あくまでも俺は助手。でも、失敗は許されない。院長の手を煩わせないように練習しているだけだ」

俺は密かに何度も手術のVRシミュレーターで練習を重ねていた。

帝王切開でお腹の子を取り出し、そのまま早急に手術室に運び、心臓手術を行う手はずになっていた。

院長が執刀する。
成功率は他の医師に比べて高いが、簡単な手術ではない。
助手を務める俺の目の前で我が子逝くかもしれない。
俺はその時の覚悟も決めていた。

「柚希・・・」

「心配しないで・・・眞彩。この子は俺が助けるから・・・」

出産・・・帝王切開の日は一週間後に迫っていた。



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