光の少女Ⅴ【決戦編】
「ああ。確かに言っていたな。だが、その前に・・・」
「!!」
次の瞬間、窮姫の近くの空間が歪んだ。
それに気付いてその場を離れる窮姫を追うように、男は空間を歪めていく。
「一体、何して・・・?」
「仲間割れか・・・」
何が起きているのかわからずにいた花音の横で、封魔が目を細める。
「でも、どういうことだ?彼奴、窮姫の部下じゃないのか?」
「・・・部下?違うな。私は五将軍の地位を狙っていた。そして、今やその将軍も一人、私にとってはまたとないチャンス」
風夜の声が聞こえたらしい男が攻撃しながらも言う。
(えっと、これって脱出するチャンスなのかな?)
男の意識が窮姫に向けられているのを見て、花音はそう思い、風夜達に声を掛けようとしたが、その前に近くに大きな歪みが発生する。
「こいつをやったら、お前達の番だ。それまでは向こうに行ってな」
「きゃあああ!」
「「「うわあああ!」」」
そして、その言葉と共に、その空間へと引きずり込まれた。