もう一度・・あなたと

私は、そんな親子の会話を
唖然として、聞いていたが

えっ、私と離れるから、元気がなかったの?

飛鳥をみると

真っ赤になって、下を向いていた。
それを見て、こちらまで赤面する。

飛鳥は、ちらちら、私を見て
意を決したように
「レン、無理に訓練お願いしてごめんね。
俺は、レンの心を深く傷つけてしまって
レンの大切な大学生活も
嫌な思い出にしたと思っている。

でも、どうしても‥‥‥‥
レンじゃないと、ダメなんだ。

俺は、レン以外、愛せないんだ。
もう一度だけ、俺を見てくれないか?」
と、言われた。

怜音は、飛鳥と知り合って
12年、飛鳥に翻弄されて生きてきたように
おもう。

でも、良いことも、悪いことも
レンの心の中には、
ずっと飛鳥がいた。


もう一度、信じる?

また、裏切られたら?

レンは、格闘していた。

飛鳥をみると
不安そうにしている。

怜音は、
「飛鳥が、そんな風な思ってくれていると
知らなくて、ごめんなさい。
正直、飛鳥をもう一度、信じたい気持ちと
また、裏切られたら、という気持ちが
あるの。
でも、大学一年から、
私は、飛鳥だけだった
けど、そんな私も、
もうすぐ30才だよ。
こんなになった私で良いの?」
と、言い終わる前に

私は、飛鳥に抱き締められていた。
「レンが、いいんだ。
レンが、全てなんだ。
レンを愛している。
俺の気持ちを、受け取って欲しい。」

と、言われ‥‥‥‥
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