魔王のオモチャ






魔王は、黙って私を見つめると
頬についている私の唾を指で拭き取った













『憎い…が…
死なさねぇよ

お前は俺の側にいて
憎い俺の側で苦しめ』









『……んっ…』














魔王は、ニヤッと笑うと
私の髪から手を離すと、私の身体を抱きしめてキスしてきた












『……い…ぁ…』








『……俺はお前を手離さねぇぞ
ずっと俺の側で、俺の血を与え続けてやる

お前は俺のものだと身体中に分からせてやる』














魔王は、私にキスをしながら血を与えてきた



私は魔王から逃げようとするが、強い力で抑えこまれているから逃げられず…

身体中に魔王の血が巡っていると知らしめてきた












『な、何してるんだよ!魔王…っ!

女嫌いなんだろうが!!』









『女にキスするなんて…っ!

私にもキスしてよ!!』









『ね、ねぇ…魔王…
ぼ、僕…頑張ったよ!

だから…魔王をちょうだい…!』















魔王の配下の奴等が私と魔王の行為を見て、私たちを引き離して魔王に抱きついていた















『うっせぇな
分かってるよ

全て勇者の中から見てたから
てめぇらの頑張りは分かってる


約束通り、血を与えてやる』













『あ、あのね…魔王!

ぼ、僕…すごくアイツら強かったから
怖かった…



だ、だから…

トラウマになっちゃうかもしれないから…



ずっと、一緒に寝てくれる…?

そのときに、血をちょうだい』














『あ?ああ…分かった分かった

一緒に寝てやるよ。だけど今日だけだぞ』








『や、やったぁ…!!』













ギーラは、嬉しそうに魔王に抱きつくと
魔王には見えないように、私たちにニヤッと笑っていた






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