魔王のオモチャ






「んん……はっ!ここは…っ」





「目覚めたかい?お姫様…」





「シュンさん……?あっ、勇者様…っ」






「俺じゃなく、勇者なのね……」











ニーナは、目を覚ますと
シュンを見て驚き、すぐに俺たちの方を向いて俺の名前を叫んだ

そんなニーナを見て、シュンは落ち込んだように頭をガクリと下げた









「ニーナちゃん…
目覚めたばかりで悪いんだけど……

手を貸してくれない?」







「あっ……なんでこんな状態で動いているんですか!!

すぐに治します!」







「ゴメンね…
本当は、女の前でカッコつけたいところだけど……

そうも言ってられない状況だから…」







「馬鹿ですよ!本当に……っ」











ニーナが目を覚ましたことで、シュンの傷は治されるが……

未だに危ない状況ではあるな……


それに、今のニーナは戦えるかどうか……








「ニーナちゃん…
あのさ……」






「なんですか!?喋らないでください!」






「……………絶対に横を向かないで
俺だけを見てて……」






「なっ……こんなときまで、あなたは…っ!」










ニーナは、シュンが自分にアプローチをしているのだと思っているみたいだが…

俺らは、すぐにシュンの言葉を理解した



シュンは、ニーナがサビトさんは悪魔だと知り傷つかないように

あんな言い方をしたのだと……









「お願いだから…
俺だけを見ていて……

俺は、絶対に君を守るから……」







「シュンさん………」







「勇者!雑魚どもは俺に任せろ!
お前は、魔王を倒せ!」







「………っ…任せろ!!」











シュンが頑張ってるんだ……

俺も頑張らないと…な……










『ギーラ。マーリ。ブラン
今度こそ、奴等を殺せ!!』






『はい』『ええ』『おう』











魔王は、ギーラたちにシュンたちを殺すように命じた

ギーラたちは、魔王の言葉に顔つきを変え、シュンたちに襲いかかった










シュン

ニーナ



頼む、死なないでくれよ…!












俺は、魔王を睨みつけ

魔王だけに集中することにした





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