Chat Noir -バイオハザー度Max-
ツナマヨ味のポテチは、まぁおいしかった。
ツナマヨ!だな。その味が全面に出てる。黒猫好きそう。
だめだ。考えないようにしようとすればするほど、あいつは私の心を自由に行き来してその爪で引っかいて、甘い鳴き声をあげる。
「まぁまぁかな」
と呟いていると、今度は院生の先輩(♂)が研究室に入ってきた。
「何々?何食ってんの~」
研究そっちのけで、こうやって賑やかになっていくのだ。
まぁそれほどレベルが高い大学じゃないし。のんびりやれればいいかな。ってのが本音。
私を冷めているという人間は多い。或いは乾いてる?
研究は好きだけど、何か凄い発見をしてやろうとか躍起になってるわけではないし。
これが私。
研究結果が地味でも、誰にも見つからない場所でガッツポーズ。
それが私。
こんな私のどこに“女”を見たのか謎だけれど、黒猫は好いていてくれる。
「浩一、コーヒー空じゃん。おかわりしてく?」
「あ、うん」
「少し濃い目に、砂糖半分だったよね」
私がマグカップを取り上げると、浩一は上目遣いで私を見る。
「さりげに覚えててくれたんだな」
「は?それぐらいふつーだし」
そっけなく言ってコーヒーを入れる。可愛げないんだよね、私。
『当たり前じゃない♪』なんて可愛く返せればいいのに。
「そーゆうとこが黒猫くんのツボだったんじゃない?」
と意味深に笑う涼子。
「朝都はさりげなく女らしいんだよ」
は!?女らしいとな!
「は!?朝都、まだあのガキとつるんでるのかよ!」
と浩一が勢い込んだ。
「つるむもなにも、バイト終わってないし。
てか付き合ってるし」
……付き合って…るんだよね??