Chat Noir -バイオハザー度Max-


はぁ。


自分の考えに嫌気がさしてため息が出て、私は立ち上がって冷蔵庫からビールの缶を取り出した。


温泉旅行のときのためにダイエットでも試みようかと思ってビールを絶とうとしたけど、


やっぱり無理。


ビール飲んで倭人から連絡がくるまで待とう。


そう思ったけれど



結局ビールの缶四本を空にしても、倭人から連絡は



なかった。




気付けばテーブルに置いた灰皿は吸殻がいっぱい。


今吸い途中のタバコの先が灰色の煙を天井へと立ち上らせていて、私はまだ半分ほどのタバコをもみ消した。


時間は夜の12時を過ぎている。


もう門限過ぎてるじゃん。




カリンちゃん…


もしかして点滴とかしてるのかな。


それだったら結構大ごとだよね。黒猫も心配だろうし…


12時半を過ぎたところでようやく倭人からメールが入ってきた。




“ごめん、連絡遅くなって。


寝てるかな。


果凛は落ち着いたけど様子見て今日一日入院することになった。


おばちゃんがお葬式から帰ってきて、俺も家に帰るよ。



今日は本当にごめん”



「ごめん」だなんて。


だってしょうがいないじゃん。


カリンちゃんの一大事だし。


倭人にとっては妹も同然だ。


でもそう思う一方で私の中に醜い感情が首をもたげている。


電話をするって言う手もあったけれど、今声を聞いたら酷いこと言いそう。


そしたら私、今度こそ本当に倭人に嫌われちゃうよ。


結局


“いいよ。気にしないで。


カリンちゃん早く良くなるといいね”


当たり障りのない返事を返すのが精一杯。



黒猫からすぐに返信がきて








“ごめん”






と、たった一言。


私はテーブルに並べられたご馳走を眺めて、


「どーすりゃいいの、これ」


と一人ため息を吐いた。



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