EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
翌日は火曜日だった。
オーレリアンも含めた学生組が学校へ行く支度をしていた時のこと。
「オーレリアン、ちょっと話があるんだけど今いいかい?」
廊下で静理が話し掛けてきた。
「何?このクソ忙しい時に」
プリプリしながらも一応話を聞く態勢になる。
すると静理はとんでもないことを言い出した。
「悪いんだけど、小鳥ちゃんも一緒に学校へ連れてってくれないかな?」
「はあ?お前馬鹿?ただでさえ血が垂れ流しでヤバイのに、あいつを闇人だらけの場所に連れて行けるかよ」
「危険なのはわかってる。けれど、君が隣にいれば安全じゃないかな。少なくとも、俺と二人きりでこの屋敷に残るよりは…遥かにね」
これを聞いてオーレリアンはハッとした。
静理は火曜日、いつも家で仕事をするため一日中屋敷にいる。
自分達が出掛けてしまえば小鳥とずっと二人きりだ。
自分のいないところで小鳥が兄に襲われている場面を想像し、オーレリアンは顔を青くした。
「……わかった。連れてく」
「ありがとう。助かるよ」
不本意に小鳥を傷つけたくない静理は感謝を述べてから自室へと戻って行った。