EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
12


†††


 頭に傷を負ったフェオドールは意識不明のまま地下世界の病院へ運ばれた。

狭い病室にて、治療を受けて死を免れた彼の目覚めを待つ小鳥と兄弟達。

「まだ起きねーのかな」

カロンがボソリと呟けば、白魔がイライラした様子で動き出す。

「いつまで寝てるつもりなのさ。君の寝顔見るのも飽きたし、そろそろ僕は帰りたいんだけど」

そう言って、眠るフェオドールの鼻をつまんでやろうとした長男にオーレリアンがすかさず反応した。

伸ばされた白魔の手をバシッと叩いて威嚇する。

「兄様に触るな!!二度と目覚めなかったらお前のせいにするからな!」

「醜い八つ当たりだね。喚かないでよ。うるさい」

手を引っ込める白魔の横ではルカと小鳥が不安気な表情でフェオドールの閉じられた瞳を見つめている。

「フェオさん…」

「フェオのバカヤロー…。早く目、覚ませよ…」

二人の声に力強さはない。

見兼ねた静理が重たい空気に溜息をついた時だった。

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