EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
辺りをキョロキョロ見回して小百合を探す。
しかし、いないとわかると白魔は肩を落として壁に寄り掛かってしまった。
「やっぱり…母上も消えた…?」
「え…どうして知って…」
「マリアンヌも優子もシャルロットも消えたんだ…。時間切れらしいよ」
居間にいた三人が消えたから慌ててこちらの様子を見に来たようだ。
小鳥が納得していると、白魔がゆらりと近づいてきた。
「ねえ…何を話したの?母上は君に、何を言った…?」
「えっと…」
愛しているかと問われたのを思い出し、小鳥は目を泳がせる。
(言うの、ちょっと恥ずかしいな…)
少し躊躇ってしまったその時、小鳥の首を白魔が両手で掴んだ。
「っ…!?」
突然首を絞められ、声も出ない。
(白魔さん…!?いきなり、どうして!?)
力をこめる白魔の両手はそのまま小鳥を壁まで追い詰めた。
「……答えられないんだね。僕のことが嫌いになった?」
背中にヒンヤリとした壁を感じつつ、逃げられないと悟る。
小鳥は必死になって首を横に振った。
「違うの?どうせ母上から僕の悪口を聞かされたんでしょ?そうに決まってるさ。あの人が僕を褒めたことなんて一度もないんだから」