EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
なぜ二人は説明することを嫌がるのだろうか。
小鳥の脳内に疑問符が浮かぶ。
(白魔さんは“一生を共にできる”って言ってたけど、別に私が闇人になったわけじゃないみたいだし…そんなに意味深な言い方しなくても…)
横にいる白魔をチラリと見ると、彼は余裕そうな表情で弟達を見つめていた。
そして、おもむろに口を開く。
「鮮血の誓いはお互いの血を飲んで愛を確かなものにする儀式のことさ。昔は闇人の間で流行ってたけど、今じゃ本に書かれた伝説に等しい扱いだよね」
「へえー。時代遅れの結婚式をしたわけか」
納得するカロン。
しかしオーレリアンは訝しげに白魔を睨んだ。
「血を飲むの?それってまさか、ふ――」
何かを言いかけた瞬間、フェオドールの手が末っ子の口を塞ぐ。
「……マドモアゼルが受け入れたなら、俺達がとやかく言うべきじゃない」
「そうだね。重要なのは小鳥ちゃんが白魔の奥さんになってしまったという事実の方だよ」