EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】

唐突過ぎる提案に、目が点。

小鳥は唖然となって再び同じ言葉を繰り返す。

「あの…え?」

「だから、結婚しない?」

「え?ええ!!ちょっと待って下さい!私、まだ十六で…!」

「十六っていうと、人間の女性が結婚できる年齢だよね?」

「あ…はい。確かに、そうですけど…」

「なら問題ないね。まあ、君が結婚できない歳だろうと関係ないけどさ。ここでは僕がルールなんだから」

彼が結婚したいと望めばできるらしい。

無茶苦茶すぎる地下世界の常識に小鳥は目眩を覚えた。

「でも式とか面倒臭いな…。ああ、誓いだけやればいいのか。二人きりの教会で鮮血の誓いを行おう」

「鮮血の、誓い…?」

「指輪交換みたいなものだよ。神の前で見せつけてやるのさ。君が僕のものだってね」

鮮血と聞いて怯えた表情を見せる小鳥。

白魔はそれを嫌がっているものと捉えて笑みを引っ込めた。

「何?先に既成事実を作りたいならそうしてあげるけど?」


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