EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
自身の発言を名案だと言うように、白魔はまた微笑む。
「ハハッ、それも良いかもね。僕の子供を孕んでしまえば君は逃げられない」
「逃げる気なんて…!」
「ない?なら、僕の奥さんになってくれるよね?」
椅子から立ち上がると、白魔は小鳥の傍へ近寄り囁いた。
「フィアンセなんていう曖昧な関係、長く続ける意味がないよ。僕は君が欲しい。ならすぐにでも妻にするだけさ」
耳元に注ぎ込まれる声は毒か媚薬か。
「君も、僕を欲してくれたんじゃないの?だから僕を選んだんでしょ?」
「わた、しは…」
どうして白魔を選んだのだろうか。
(ほっとけない人だから…。独りぼっちの寂しさを、知ってる人だから…)
彼なら自分を見捨てないでくれるんじゃないか。
そう、期待した。
「もう一度聞くよ。僕と結婚してくれるね?」
ゆっくりと、小さく頷いた小鳥。
白魔はその反応を見逃さない。
「フフッ、いい子だね。僕のプリマドンナ」
可愛がるように小鳥の髪を撫でてから彼女の手を取った。
「さて、じゃあ教会へ行こう」
「え…今から、ですか?」
「そう。今から、だよ」