EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
早く早くと手招きをしてランベルトが客人二人をエレベーターに誘う。
城の一階に玄関はなく、アーチのトンネルに鉄格子が下りているだけだ。
ランベルトは何らかの操作をしてその鉄格子を上げると、小鳥達をアーチの中へ入らせた。
三人が入った途端、ガシャンと鉄格子が落ちてくる。
閉じ込められたと思った瞬間、床が上へ動き、エレベーターの役目を果たした。
ガラガラガラと音を立てながらゆっくりと二階へ上がるエレベーター。
「すまないね~。音うるさいでしょ?このエレベーターもう古くて…!」
そんなおしゃべりを聞いている間に二階へ到着し、エレベーターは止まった。
現れたのはこぢんまりとした屋敷の玄関ホール。
左右の壁には等身大の甲冑が飾られ、真正面には赤いカーテンが引かれている。
そのためカーテンから先の廊下は全く見えない。
「明るいですね」
クラヴィエ家が薄暗いので、煌々と灯るシャンデリアを見上げた小鳥はついそう口に出していた。
「我が家では常にこのくらいさ。明るい方が気分も楽しくなるからね!」
「僕にはちょっと眩しいかな…」
「何!?ならばワタシがホワイト・デビルの日傘になろうではないか!」
「小鳥、肩車してあげるよ。僕の日傘になって?」
「ええっ!?白魔さん!?」