EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【白魔編】
「フフッ、冗談だよ」
白魔が魅力的な笑みを小鳥に向ける。
とその時、赤いカーテンが自動で左右に開かれ、螺旋を描いた大階段のある広間が現れた。
その階段からゆっくりと一人の男性が下りてくる。
「Herzlich willkommen!Ah……ハクマくんじゃないか。久しぶりだね」
穏やかな低い声が伸びやかな調子で挨拶を始めた。
長い黒髪に青白い顔の彼に白魔はこう呼びかける。
「ダンクラート様、お久しぶりです」
ランベルトの父ダンクラートはにこやかな表情で頷いた。
(この人、ランランさんと顔立ちがスゴク似てる…!)
髪色は異なるものの、美人な顔の作りは同じで微笑むととても魅力的だ。
「長旅でさぞやお疲れでしょう。ランベルト、お部屋にご案内しなさい」
ゆっくりと囁くようなダンクラートの声は耳に心地好い。
小鳥がポーッと聞き惚れているとランベルトが元気よく歩き出した。
「おいで~、こっちだよ!客室は四つあるけど、ふーむ…どれがいいかな?」
左手側の細い廊下へ導くランベルトについて行くと、彼の言う通り四つの部屋があった。