EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
(きっと、ボクじゃ、ルカくんを幸せにしてあげられない)
それはヴォルフ以外の誰かが成すことだ。
そして、それはヴォルフにとっての不幸でしかない。
(ルカくんに惚れたボクが幸せになれないのに、ルカくんだけ、好きになった子と幸せになるなんてズルいよね。許せない。だからボクは、ルカくんの大切なコを、ぐちゃぐちゃにしたかった……)
その結果、ルカに憎まれようとも、殺されようとも、構わないのだ。
「ダイスキだよ、ルカくん。憎くて憎くて、キミの不幸を望んでしまうくらいには、ダイスキ」
「お前の言ってること、意味わかんない。結局、俺のこと嫌いなんだろ?」
「違うよ、ダイスキなんだよ」
「ハァ……会話が疲れる。どっちでも良いからさ、さっさと死んで」
ルカがヴォルフを床に叩きつけ、仰向けに倒れた彼の喉に足を置く。
ルカに踏まれた状態で、ヴォルフは眩しげに憧れた存在を見上げ、笑った。
「ハハッ……ルカくんに殺されるなら、それもステキ、かもね」
ルカは冷めた目でヴォルフを見下ろし、喉に置いた足に力を込める。
喉を踏み潰し、今にもヴォルフの首を砕こうとしたルカだったが。