EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「……小鳥がそいつのこと赦しても、俺は無理。俺の小鳥の血を吸ったのは大罪」
「でも、私……誰かを殴るルカくんなんて、見たくない……!誰かを殺すルカくんも、嫌っ。今のルカくんは……こわい」
怖いーー。
この言葉を耳にして、ルカは頭を鈍器でガツンと殴られたようなショックを受けた。
ーー君に怖いことは何もしないから
小鳥が屋敷に来た時、口にした約束。
(小鳥が、怖いと思うことは、しない……。俺は、そう決めたはずっ)
それが、どうだ。
怖いと、言わせてしまった。
しかも彼女は目の前でボロ泣きしている。
こんなに泣かせたのはヴォルフじゃない。
ルカだ。
「ごめ……ごめん、小鳥!俺のこと、嫌いになった……?」
縋るような質問に、小鳥が首を横に振る。
それを見てルカが小さく安堵した直後。
「でも、ヴォルフさんを殺したら……嫌いになる」
この発言により、ヴォルフの未来は決まった。
「……俺が小鳥に嫌われるから、今回は見逃す。でもまた小鳥に手を出したら、今度は小鳥に内緒で殺すから」
「な、内緒でも、ダメだからね、ルカくん!」
「えっ、まあ、うん、わかってるけど、こうでも言って脅しとかないと……ああっ、もうホント!ごめんなさい!俺が悪かったから!泣き止んで小鳥!」