EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】

「……か、かっこ、いいね……ルカくん」

「っ……ありがとう」

二人して頬を染めていると、少し落ち着いたヴォルフがここでやっと当然するべき質問をした。

「でも何がどうしてこうなったの?ボク達には有り得ない天からのキセキ?」

「父さんに変なもの飲まされたんだよ」

ルカの父親ジェラルドは、息子が創世祭デートすると聞いて気を利かせたつもりか「大人になれーる」という怪しげな液体をルカに押し付けた。

「少しの時間、大人になれる薬だってさ。父さんのジョークかと思って軽い気持ちで飲んだらこうなった」

「大人に……?何歳くらいなのかな?」

小鳥の問いにルカは首を捻る。

先程、鏡で自分の顔を確認したものの、ハッキリ何歳だと断言できない。

「俺もよくわかんないけど、人間的にいうなら二十代か三十代くらい?服は丁度いいのなかったから父さんの借りたんだけど……変じゃない?」

ルカの格好は白いシャツに黒のジーンズとシンプルだ。

しかし下手に着飾らなくとも、大人の色気が既に十分なアクセントになっている。

「変じゃないよ!変なとこ見つける方がタイヘンだよルカくんカッコイイー!!」

「お前に訊いてない!小鳥が喋る暇なくなるから黙っとけ!」

二人のやり取りに小鳥がクスリと笑う。

ルカはそんな彼女の手をキュッと握った。

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