EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
「人混み、を……?」
まさかの希望に、小鳥は目を丸くする。
「そうそう。地上って、いるところにはすっごく大勢人間がいるんでしょ?地下って、いても大した事ないからさ。なんか憧れ」
確かに人口の多さは圧倒的に地上が勝るだろう。
それにしても変わった憧れだと思わずにはいられない。
「後は、人間になっての楽しみって言ったらやっぱり食べることじゃん?だからハンバーガー食べに行く」
「ハンバーガー……?」
いきなり具体的なファーストフードの名前が飛び出した。
小鳥がキョトンとしながら繰り返すと、ルカは好奇心旺盛な子供のように青い瞳をキラキラさせる。
「地上に行くなら食べてみたいものトップスリーをミッつんから聞いたんだ。その中にハンバーガーがあって、俺も食べてみたいなぁと」
「なら、お昼はハンバーガーですね。駅前にお店があるので案内します」
「やった!ありがと小鳥!」
それからルカはちょっと口を閉じてから、徐にこう言った。
「後もう一つ行きたい場所があるんだけど……そこは最後でいいから、まだ内緒」
なぜか照れ笑いをするルカ。
どこか気になった小鳥だが、内緒らしいので無理に聞き出そうとはしなかった。