EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】

「へえ、君はまともな恋愛したことあるんだ。マザコンのくせに」

面白そうだと思ったのか、白魔が話題に食いついてきた。

「うざい白魔。お前だって昔は母様母様言ってたんだろ」

「まあね。僕の母上は美人だから。君の母親と違ってブスじゃない」

「お前っ!僕の母様を侮辱するな!ブスっていうのはそこのメスブタみたいなのを言うんだよ!」

「わ、私ですか…!?」

ビシッと指を突き付けられて小鳥はビビった。

しかも言いたい放題、酷すぎる。

「最低だね、オーレリアン。女の子にブスとか。しかも僕のプリマドンナに向かって言うなんてさ。そんなに死期を早めたいの?」

冷めた口調と目で末っ子を攻撃する白魔。

自分の発言は棚に上げ、ソファーに座る小鳥を背後から抱きしめる。

「大丈夫だよ、僕のプリマドンナ。君は可愛いから。女の子の魅力を全然わかってない憐れなオーレリアンの言うことなんて真に受ける必要ないさ」

「あ…えと…」

耳元で囁かれる絡みつくような甘い声のせいで身体が火照ってしまう。

小鳥がドキドキして固まっているとカロンの手が伸びてきた。

「おい、白魔。こいつに触るな」

「何さカロン。君はいつから僕に命令できる程偉くなったの?」

「あんたは何考えてるかわかんねーから嫌い」

小鳥を兄の腕から引っぺがし、抱き寄せてから威嚇する。


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