EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】
コホンと咳ばらいをしてカロンは続ける。
「ファンの子からもらったんだと。食い切れないらしいから半分もらった」
「……本当にもらっちゃって大丈夫だったんですか?」
「いいのいいの。蜜莉もあんたには甘いから」
小鳥の頭を撫でると、カロンはソファーにドカリと座った。
そして小鳥を手招く。
「おいで」
呼ばれて素直にカロンの隣に腰掛けた小鳥だったが、なぜか不満げな顔をされてしまった。
どうしたのだろうと首を傾げると…。
「違うだろ?あんたの席はここ」
「きゃ!?」
いきなり抱き上げられてカロンの膝上に座らされる。
「こいつがここな」
持っていたクマのぬいぐるみのみ、今まで小鳥が座っていたカロンの隣に追いやられてしまった。
『コンニャロー!オボエテロー!』
何やら文句を言っているようだが気にしない。
(ううっ、膝の上なんて…は、恥ずかしいよ…!)
赤面状態の小鳥などお構いなしにカロンは小鳥が抱える紙袋からお菓子を取り出した。
「さてと、食うか」