彼に惚れてはいけません


吉野さんとのこんな角度のキスが初めてだったから、目を閉じたいのに閉じられなくて、じっと吉野さんの顔を見つめていた。


「吉野さん、今、なんて?」

「鈍感で、バカだな」

その後待っていたのは、情熱的なキスの嵐だった。

ソファでキスするのって、映画では鉄板のシーンで、思い出せるだけでもいくつもの映画がある。

映画のヒロインみたい。

私、今ソファでキスしてるんだよね。

相手は、大好きな大好きな人。


しかも、さっき
“好きな女”って言った。


言った。

絶対に言った!!


「由衣、映画だったらこのまま愛し合ってベッドへ移動するんだろ。でも、俺達はそうじゃない」


「吉野さん、私・・・・・・」


「ここでする」



拒もうとするけど、私の素直な気持ちは吉野さんを拒んでいない。

もうすでに吉野さんの手は、私の服の中に達していた。

首筋に感じる吉野さんの唇や吐息に、もう声も出なかった。



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