彼に惚れてはいけません
「それではご説明します」
時間があまりないと言っていたので、手短かに説明をした。
吉野さんの視線がビシバシと刺さり、私はもうドキドキがハンパない。
実にナイスな質問をしてくれたり、相槌を打ってくれて、スムーズに進む。
「これなら、下の岡田社長のところなんかいいんじゃないか?」
社長が、腕組みをして吉野さんを見ると、吉野さんは大きく頷いた。
「ああ!それいいですね。下の会社はインテリアの空間演出ですし空気は大事でしょう」
「吉野、今からここに呼んだらどうだ?岡田社長にアポ取ってきて」
吉野さんはサッと立ち上がり、部屋から出て行く。
私が最初に飛び込む予定だったインテリアの会社だ。
なんとありがたいこと。
トントン拍子に話が進み、数分後に吉野さんと一緒にそのインテリア会社の岡田社長とやらが現れた。
「いやあ、どうもどうも、岡田社長」
「お声かけ頂き、ありがとうございます。ちょうど事務所のリフォーム考えていたタイミングなんで、お話聞かせてもらいます」
社長ふたりが話し出し、私はただその話を聞いて、微笑んでいるだけだった。
と、ふと視線を感じて吉野さんを見ると、目が合う。
ふたりにしかわからない絶妙なアイコンタクトで、“頑張れよ”的なメッセージを送ってくれた。