御曹司さまの言いなりなんてっ!
国が戦争に負けたせいで自分は全てを失った。
赤紙が来て、骨すら戻らなかった父と兄。
空襲の爆撃で何もかも業火に焼かれ、夜空は地獄のように真っ赤に燃えた。
避難の途中ではぐれた母と姉は、防空壕で蒸し焼きになって死んだ。
逃げ惑いながら、まだ小さかった妹の手を懸命に握っていたけれど、人混みの勢いに押され……放した。
人の波の向こうで、私の名を泣き叫ぶ妹の声が遠ざかり、すぐに聞こえなくなった。
家も、田んぼも、畑も、父さんも、母さんも、兄ちゃんも姉ちゃんも、妹も全部取られた。
国が負けたせいで。
だから……自分は絶対に負けない。
死にもの狂いでやっと手に入れた大事な物を、もう二度と誰にも奪われたりしない。
勝ち続けるんだ。
負けたら、また失ってしまう。
それが嫌なら勝つしかない。
この先一生、自分は、勝って、勝って、勝って、勝ち続けるんだ。