御曹司さまの言いなりなんてっ!

 責任者グループの一員!? 全面サポート!?

 なにその、予想外過ぎるお話は!?

 素っ頓狂な声を上げながら、私は勢いよく顔を上げた。

 席についている面々も寝耳に水な話だったらしく、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして部長を見ている。


「遠山、彼らはプロジェクトの各チームの責任者達だ。これからお前には彼らと一緒に仕事をしてもらう。では行くぞ。ついて来い」

「は!? い、行くってどこへ!?」


 なんと部長は、言うだけ言ってその後始末もしないまま、部屋からサッサと出て行こうとする。

 さすがに私は裏返った大声を出してしまった。


「ちょっと待ってください!」

「なんだ? どうかしたのか?」

「いやあの、その……!」


 受けた衝撃の大きさを、どう言葉にすればいいのか分からず口籠っている私を見ながら、部長は見当外れなことを言う。


「ああ、そうか。それぞれ自己紹介できればいいんだが、あいにく今日は時間が無い」


 いや! そこじゃなくて!

 心の中で思い切りツッコむ私の耳に、狼狽した声が次々と聞こえてくる。


「一之瀬部長! それはどういうことでしょうか!?」

「今日入社したばかりの新人社員を、この責任者グループに加えるとおっしゃるのですか!?」

「しかも、部長のサポートですか!?」

「どういったお考えからのご判断でしょうか!?」


 ええ、ごもっとも! 皆さんまったくおっしゃる通りです!
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