強引上司の恋の手ほどき

経理課のフロアに入る前に、大きく深呼吸をする。

落ち込んだ気持ちを引きずって仕事をするわけにはいかない。ただでさえ忙しい時期にミスをして他の人に迷惑をかけるわけにはいかないんだから!

「ただいまもどりましたー!」

できるだけ元気よく、声を上げた。

「遅い! もうお腹がすきすぎて死んだらどう責任取ってくれるの?」

「すみません。じゃあ美月さんが死んじゃうと困りますから早速食べましょう」

いつも簡単なミーティングをするテーブルに買ってきたパンを出すと、経理課のみんなが集まってきた。

「課長からの差し入れです」

テーブルの上にたくさんのパンを置くと、みんなそれぞれ好きなものを手とり「いただきます」といいながらほおばった。

「あ〜おいしい。生き返った! 生き返ったー!」

すごく大袈裟だけど嬉しそうに食べている美月さんが、ふと私を見て不思議そうな表情になる。
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