強引上司の恋の手ほどき
「食べないの。なんかあった?」

サンドイッチをほおばっているが、顔が真剣だ。

ちゃんと、元気な顔作ったつもりだったんだけどな。

「なんにもないですよ。どれ食べようか迷ってたんです」

だけど、この課長への思いを相談はできない。ついこの間中村くんと別れたばかりだ。それなのに、今はもう課長への思いで悩んでいるなんてこと、相談できるはずもない。

「どれにしようかなぁ〜」

美月さんは納得し手いないようだったけれど、私は何事もなかったようにふるまう。そして一番小さなパンを手にしてデスクに戻った。

いつもなら、みんなと一緒に食べるのだけれど、先ほどのカフェでの楽しそうな課長の笑顔を思いだしてしまいそうだったのでデスクにもどって、仕事を再開させた。

考えても仕方のないことを考えないで済む方法は、仕事に集中することだった。

私は目の前の仕事の山を、てきぱきと無心で片づけたのだった。
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