強引上司の恋の手ほどき
「千波、前ちゃんと見えてる」
「はい。ちゃんと横から見えてますから平気です。いってきまーす」
私は、経理課のフロアを出ると同じ階にある資料室を目指した。
奥まった場所にあるが、距離はそこまで遠くない。いつもよりもゆっくりだったけれどすぐに到着して両手がふさがっていることに気がつく。
……しかも、鍵忘れた。このまま戻る……しかないか。
「はぁ」と溜息をついて、くるりと踵をかえす。
「ひっ!」
「“ひっ!”ってなんだよ。人を化け物みたいに言うな」
そこには資料室の鍵をぷらぷらさせながら、課長が立っていた。
「ほら、これ忘れてたら中に入れないだろ?」
課長は私の持っていたダンボールの上から、ファイルを片手でとって、反対の手で鍵を開けてくれた。
「ほら、入れ」
「ありがとうございます。わざわざすみません。声かけてくれればよかったのに」
「別に気にするな。鍵持って行っても両手がふさがってたんじゃ開けられないだろう」
課長に続いて資料室に入ると、ダンボールの箱が不意に軽くなった。
課長が目の前で、ダンボールを持とうとしてくれている。
「はい。ちゃんと横から見えてますから平気です。いってきまーす」
私は、経理課のフロアを出ると同じ階にある資料室を目指した。
奥まった場所にあるが、距離はそこまで遠くない。いつもよりもゆっくりだったけれどすぐに到着して両手がふさがっていることに気がつく。
……しかも、鍵忘れた。このまま戻る……しかないか。
「はぁ」と溜息をついて、くるりと踵をかえす。
「ひっ!」
「“ひっ!”ってなんだよ。人を化け物みたいに言うな」
そこには資料室の鍵をぷらぷらさせながら、課長が立っていた。
「ほら、これ忘れてたら中に入れないだろ?」
課長は私の持っていたダンボールの上から、ファイルを片手でとって、反対の手で鍵を開けてくれた。
「ほら、入れ」
「ありがとうございます。わざわざすみません。声かけてくれればよかったのに」
「別に気にするな。鍵持って行っても両手がふさがってたんじゃ開けられないだろう」
課長に続いて資料室に入ると、ダンボールの箱が不意に軽くなった。
課長が目の前で、ダンボールを持とうとしてくれている。