強引上司の恋の手ほどき
「しかし、全部電子化されてるはずなのに、原本も必要ってどういうことだよな。めんどくせーな」

ブツブツいいながら、さっさと片付けてしまう。

普段からこの資料室を使っていないと、こんなスピードで片付けできないだろう。それくらい課長はここに自ら足を運んで調べ物をしているということだ。

「でも、やぱり一度に確認できるからやっぱりこっちが早いときもありますよねっ……あっ!」

「危ないっ!」

飛び出していたファイルを綺麗にしようと、背伸びをしていた私の上に隣のファイルが雪崩を起こして直撃してきた。

あ、やばいっ!

驚いて後ろに倒れた。そのせいで避けきれなくてファイルが頭上から降ってくる。

「なにやってんだっ!」

ファイルが直撃すると思った瞬間に、視界に入ったのはドアップの課長の顔だった。

——ガチッ

え? な、なに?

衝撃でつむっていた目を開くと、私をかばうようにして覆いかぶさる課長の姿が目入った。しかも驚いた顔で拳を唇に当てていた。
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