強引上司の恋の手ほどき
「ハラスメントだなんて、あの子と仲良くなろうと思っただけなのに」

枝豆を食べながらブツブツ文句を言っている。

普段は仲良くやっている後輩でも、お酒が入った美月さんの相手は難しいだろう。そして大暴れする彼女をなだめるのがいつも課長と私の役目だった。

「アンタはいいのあれ?」

黄色い歓声が上がる方を、ちらりと見る。

「いいのって……まぁ。たまにはね」

「そういうことを言ってるんじゃないの。いつもあそこにいるのはアンタだったでしょ?違う人がいていいのかってことよ」

課長と私の間にいつもいるうえに勘のするどい美月さんだから何か気がついているのかもしれない。

「なに言ってるんですか。いいもなにも……」

私は持っていたライムサワーを一口飲んでごまかした。
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