強引上司の恋の手ほどき
「なんでも話してとは言わない。だけど困ったことがあったら話をして欲しい。それくらい私はあなたのこと大切に思ってるんだから。それにね、こんな私でも一応は恋愛して結婚してるから、何かの参考にはなるかもしれないし」

「美月さん……」

「あ〜。もう酔っ払ったのかもしれない。いやねぇ歳のせいかしら」

パタパタと手で自分をあおいでいるその姿が、照れ隠しだということがわかる。

きつい口調や態度からとっつきにくいイメージを持たれる美月さんだけど、付き合っていれば優しくて素敵な女性だということがすぐにわかる。

こんな人が近くにいてくれて、幸せだなぁ。

「どうしようもなくなったら、ちゃんと相談しますから」

まだ自分でなにもやってない。相談するにしたって、なにも始まってもいないものを相談するわけにはいかない。

「まぁ、なんにもないに越したことはないんだけどね。乾杯」

美月さんのジョッキと私のジョッキがガチャンと重なった。
< 134 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop