強引上司の恋の手ほどき
まぁ……私は一緒に来られて嬉しいけど。

本社から参加する人も何人かいるけれど、ほとんどの人が同期と参加するということでどこか浮足だっている。そんな中、課長と私は社歴を踏んでいるので変に浮いてしまっていた。

「近くになったら、起こして。さっさと終わらせて、帰りには牛タン食ってかえろうぜ」

そう言ってさっさと目をつむり眠ってしまった。

隣に座っているそんな課長をぼんやり眺めてしまう。今日の研修のためにずっと業務を前倒ししていたのが理由だろうか、うっすらと目の下にクマがあった。

仙台につくまでゆっくりしてもらおう。短い時間でもねむれば疲れも取れるだろう。

私はバッグから研修の資料を取り出して確認することにした。

しかし、いつもよりも早い時間に出発したせいか次第に私もねむりの中へと落ちていったのだった。
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