強引上司の恋の手ほどき
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定時後の休憩ブース。
俺は今にも泣き出しそうな菅原を追い返した。
アイツの顔を歪ませたのが俺だと思うと情けなくなる。
……なにやってんだよ。
自分で自分に突っ込まずに入られない。
総務課の大西に告白されるという気まずい場面をみられてしまった。
まさか会社で告白する奴が今どきいるとは思わなかった。仕事の場所を勘違いしてるんじゃないのか。
いや、大西に当たるのは筋違いだってわかってる。それに大西からの誘いをのらりくらりとかわしてきた自分にも責任があるのだ。
菅原の態度が一向に変わらないことに苛立ちを覚えていた。
中村の態度に疑問を持ち始めてはいる。そして俺に気持ちが少しずつ向いてきていることもわかっていた。しかし、そこから全く動きがない。
しびれを切らした俺は「あの子と付き合ってもいいんだな?」なんて心にもないことを言って菅原をおいつめた。
きっとまだ菅原の中で俺への気持ちは確かなものでないはずだ。そんなときに混乱させるようなことは言うべきじゃない。
わかっている……しかし、いつまでも俺の気持ちにも、そして変わりつつある自分の気持ちにも気が付かない彼女にやきもきしていた俺は、つい感情的になってしまったのだ。
「はぁ……なにやってるんだよ俺」
ガラスに映った自分の顔が、いまだかつてないほど情けなく見えた。