強引上司の恋の手ほどき
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一泊二日の社員旅行を終えて、駅に降り立った。ここから社員は各々自宅へと帰る。
前の車両に移った菅原は、ホームで加藤や金子と在来線のホームへと移動するようだ。その後姿を見て、中村の姿を探した。
一言、話をしておいたほうがいいだろう。
ちょうど改札へと階段を移動している姿が目に入った。俺は改札を出たところで、中村に追いついた。
「ちょっと、いいか」
俺が背後から呼び止めると露骨に嫌な顔をした。
「俺、気分が悪いんで早く帰りたいんスけど」
「俺も同意見だが、少しだけ時間をくれ」
俺の顔を見て、しぶしぶだが話をする時間がとれた。
「今まで散々、菅原のこと振り回して来たんだ。今後そういうことはないようにしてもらいたい」
「は? 俺が、もうあんなツマンナイ女構うわけないじゃないですか?」
その言い方に、カチンときたけれどぐっと拳をにぎって耐えた。
「そういう言い方を今後一切しないでもらいたい」
「つーか、深沢サンもう千波とヤッたんですか? ちゃんと出来ました?」
下衆な笑いを浮かべる中村の顔を殴ってやりたい衝動に駆られた。
お前の口から彼女の名前が出てくるたびに反吐が出そうになる。