強引上司の恋の手ほどき

ガラス張りで明るいティールームは人気のようで、席がほとんど埋まっていた。

ぐるりと中を見渡した郡司さんは、すぐにその人を見つけたようでまっすぐに席に向かった。

そこにいたのは、郡司さnと会っていたあのショートカットの女性だった。

ドクンと心臓が音をたてた。

わざわざ彼女を呼び出したということは、話をしてくれるということだ。

思いの外早い段階で話を聞けるのは嬉しいのだが、気持ちの準備ができていない。

でも、彼女もここに来るってことは、元カノではないはずだ。終わった相手の現在の彼女とのいざこざの仲裁に入るとは思えない。……もしかして、郡司さんと離れたくないから私と郡司さんを別れさせるつもりじゃ……いや、いやそんなこと……。

「おい、ひとりで百面相やってないで早くこっちに来い」

色々考えていたことがすべて顔に出てしまっていたみたいだ。私が急いで彼の横に並ぶと、女性が立ち上がってから、頭を下げた。

「島津美優(しまづみゆ)と申します」

顔をあげると名刺を一枚差し出してくれた。

【日芝電器株式会社 総務課 島津美優】

日芝……って郡司さんのところの会社だ。しかし郡司さんはうちの会社に異動してすでに三年は経っているはずだ。その間もずっと連絡をとるほどの間柄だということがわかる。

考えると気持ちが沈んでいく。
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