強引上司の恋の手ほどき
せっかく中村くんの誕生日だから、お祝いしたかったのに結局は自分の我慢が足りないせいで台無しにしてしまった。

のろのろと起き上がり、中村くんが出てくる前に身なりを整えなければならない。そしてきちんと謝ろう。

——ガチャ

タイミングよくカレが出てきた。

「あの……本当にごめんなさい。私初めてで上手にできなくて」

「もういいから。荷物持って今日は帰ろう」

「……ハイ」

今はなにも話したくないと彼の態度を見て理解した。

私はそれ以上なにも言わずに、彼に続いて部屋を出たのだった。


翌日、私は中村くんを屋上に呼び出して謝った。

謝罪する私に「いつまでも待つから」と言ってくれたのが嬉しくてその言葉に今も甘えている。
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