強引上司の恋の手ほどき
「あの、課長って手を繋いだだけで妊娠させるって……本当ですか?」

「はぁ……お前バカなの?」

驚いて目を丸くした課長が、持っていた箸を落としそうになっている。

「だって、総務の女の子が言ってたから」

「はぁ……あのなぁ。いくら俺でもやることやらないとそれは無理だろ」

「そうですよね。あははは……でも、百人斬りしたって噂も……いや、ごめんなさい」

お酒を飲んでいるとはいえ、馬鹿な質問をしたと我ながら思う。

切羽詰まりすぎ。

私は落ち着こうとりんごサワーを口にした。

「なんだよいきなり。なにか聞きたいことあるなら聞けよ」

「聞きたいことって言うか……あの、私を助けてほしいんです!」

思わずテーブルに乗り出した私の様子を見て、課長は驚いた様子だったけれど私の話を聞いてくれた。
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