動き出した、君の夏

バットとボールと君の涙

《チームが勝つんなら、耐える》


昼休みの夕の言葉が、放課後の部活の時間まで頭につきまとった


それで、いいの?
チームが勝つなら、自分は何言われても
チームが勝つなら、悔しくないの?




『……それで…いいの…?』

呟いて、地面に置いていた手を離した
スタブロに足を置いたまま、野球部を見る

一応ユニフォームを着た夕は、やっぱり左手首に白い包帯を巻いていて
練習に参加していなくて
ベンチの近くで腹筋をしていた

毎日夕が居た、ピッチャーかセカンドベースには、当たり前だけど他の部員が居て
でも、それを見ても何もカッコイイなんて思えなかった




『………それで…いいの?夕…』






「っの野郎ぉーーーーッ!!!!」

あたしの居る反対側のグラウンドでは、瑞希が叫びながら上総君と競っていた
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