動き出した、君の夏

ショートスプリント季節到来

『ねむ~~…』

どんっ

『ぉわっ!!;』

校門を通ってだらだら歩いていると、いきなり後ろから誰かにどつかれた
本気でビックリして振り返ると、朝からハイテンションな瑞希が立っていた

「おっすー!」
『おはよ…朝から元気だね…』
「千夏が低血圧すぎんじゃん?」
『んー?んー…そーかも…』

あー眠い。眠い眠い…
意識が遠くなり始めた…

べしっ

『たっ』

勢い良く頭をはたかれた

『ったいなぁ!!』
「オイ!寝かけてるぞ!!」
『…どこからそのテンションが来んのよ…』

「それよりさぁ!!」

あたしの不満は無視して、後ろ歩きになりながらあたしの前に立った

「あたし等もやってみる!?」
『へ?…何が』
「賞状借りてきて、見せびらそーぜ!!」
『んぁー…いーよ別に』
「ぇえー?」

口を尖らせた瑞希を通り過ぎて下駄箱に入った
また瑞希があたしの前に出た

「何でだよー」
『…だって優勝っても地区じゃんー。全国どころか地区だよー?』
「…あ、そっか。じゃあそこまで自慢できねぇじゃん」
『そうだよー。…ってか瑞希、そんな派手に動いたらパンツ見える!!』

あたしの前を二段抜かしで階段を駆け上がる瑞希に言った
不思議そうに瑞希があたしを振り返った

「そー?」
『うん。ってか瑞希ただでさえ短くしてんのにさぁ。校則破りまくり』
「だって校則どーりとか短いし」

平然と言い放った
どっかに風紀委員とか生徒指導とか居たらどーすんだよ…
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