新選組と最強子供剣士
崩れたといってもほんの少し動いただけ。


だけど、土方さんはそれを見逃さないだろう。


「土方さん、何言ってるんですか?」


「何を言っているだと?それはお前が一番よく分かっているだろう?」


この人、何で‥‥‥‥


僕を見る土方さんの目が酷く怖い。


「今、俺も殺したいって思っただろ?」


「‥‥‥‥」


無言は肯定と示される。


示されるのだけど、僕は何を言えばいいか分からない。


まだこの時代に来て数日も経っていない。


確かにあの試合で僕は思った。


だけどそんな行動は起こしていないし‥‥‥


「総司がお前のことを怖いと言ったんだ」


沖田さん‥‥‥あの人から聞いたのか。


そうか、沖田さんが僕を探ったのは土方さんの命令。


「試合が終わった後、斎藤からも聞いた。お前の最後の一振りに恐怖を感じたとな」


全部この人の手の平の中にいたってわけか。


「もう一度聞く。お前の名はなんだ?どこから来たんだ。答えろ」


初めて会った時に聞かれたこと。


‥‥‥‥あ~もうなんか‥‥‥‥


「チッあ~疲れた。止め止め」


正座していたのを止める。


いや~なんかもう必死な自分が馬鹿らしくなってきた。


だってさ、いきなりタイムスリップするし?


おっさんには追いかけられるし新選組の斎藤さんに会っちゃうし?


いろいろ考えるの面倒になったわ。


第一、僕いい子じゃないし?


正直新選組のこともどうでもいいし。
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