新選組と最強子供剣士
土方さんの顔は何か思い詰めているよう。


深い事情がありそうだ。


「‥‥‥いいよ」


「は?いいのか?」


「うん。未来では間者みたいな仕事、沢山やってたし大丈夫だよ。そのかわり条件がある」


「なんだ?」


「条件は三つ。三つ共叶えてくれないなら土方さんが僕に与えてくれた任務は実行できない。
一、芹沢についての情報提供。
二、山崎という監視者を僕からとること。
三、僕に自由に外出する許可を与えること」


僕が条件を言うと黙りこむ土方さん。


そして顔を上げると質問をしてくる。


「なんでその三つを叶えないと実行できないんだ?」


「一は、情報を集めるためには芹沢に近づくのが一番手っ取り早いから。

二は、監視がいると行動範囲が限られるから。

三は、外からの情報収集するのも必要だから。
勿論、外に出るときは土方さんに言うし監視をつけてもらってもいい。僕は京の土地勘がないから、監視はそれと同時にやってほしい」


ま、三は僕の我慢が限界だからってのもあるけどね。


京の街を知っておきたいっていうのもある。


なんにせよ、この屯所内だけじゃ分からないことが多すぎる。


「どお?条件、のんでくれる?」


「‥‥‥‥わかった。そのかわり、外に出る時は俺に必ずお前が報告しろ。いいな?」


「了解。じゃ、さっそく芹沢さんの情報をお聞きしたいな」


「駄目だ」


「は?なんで?」


「お前熱出してんだから安静にしとけ。情報はお前の熱が下がってからだ。じゃあな」


そう言って、土方さんは部屋を出て行ってしまう。


この位大丈夫なのに‥‥‥


熱出しても身体は動くんだけど。


ま、そう焦ることはないか。


そうして、僕は熱が出た2日間、部屋で安静にすることになった。





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