新選組と最強子供剣士
「沖田、刀に興味あるっつったって、この店選ぶんは駄目だろ」


「なんで?」


金田さんの言葉に首を傾げると、金田さんは僕の耳元で言った。


「俺はここの親父の弟子なんだが、親父はほんとに頑固なんだよ」


「そうなの?」


「そうだよ。ただ、僕が思うに腕は京一番だと思うよ」


「へぇ~」


「誰が頑固親父だと?」


後ろから声がして振り向くと、ぶっちょう面のおじさんがした。


見た目は50代前半くらいで背が高い。


「親父さん、こんにちは」


「沖田か。何かようか?」


「ようがあるのはこの子だね」


沖田さんに紹介されると、僕は前に出る。


厳しい顔でこちらを見る親父さん。


目力すごい‥‥‥‥


「ふん、ここの刀は小僧相手に扱えん」


‥‥‥‥‥ま、そうなるよね~


いや、親父さんの言ってることは最もなんだけどね。


最もだけど‥‥‥‥


うん、ムカつくものはムカつく。


「ねぇ、あそこにいっぱい刀があるけど、あれは売り物じゃないの?」


僕が指を指した場所には、縦長の大きな桶の中に沢山の刀が入れられてある。


売り物にしては粗末な扱いだ。


その隣には一回り小さい小太刀の入った桶、
そしてまたそのとなりにはナイフほどの大きさの小刀が入った桶があった。


「あれも売り物だよ。ただ、かけてあるものと違って切れ味とかが悪いけどね」


「ふーん」


僕は小太刀が入っている桶の中にある1つの刀を手に持つ。


鞘を抜いてみると、確かに切れ味はよくなさそうだ。


「おい坊主、店のもんを勝手に‥‥‥」
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