琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!
「それで・・・いいのですか?国王様はお怒りになりませんか?」

「ああ、そうか。フィオナは知らないのだな。基本国王と会う事が許されるのは、王族と国王自らが呼び寄せた者のみ。フィオナが自分から会いに行く事は出来ないんだ。フィオナが王族の一人になると決心した時、会うことが許される」

「フィオナが王族の一人となる、そう決心したのなら今すぐにでも連れていきたいが・・・・その決心はまだないんだろう?」

その言葉にぐっと詰まってしまいます。
決心どころか、どうやったら諦めてくれるのか、真逆の事を考えているくらいですから。
そんな決まりを知ってしまったからには、尚更行けない。


「・・・そんな深刻な顔をしなくてもいい。私は焦るつもりはないよ。フィオナの気持ちが私に向くまで、待つつもりだから」

どうやら私の顔は、知らない間に緊張した表情を浮かべていたようで。
リューイ様はその緊張を解くように、ふっと笑みを見せ私の肩をポンと軽く叩くと、城の中へと戻られました。

その笑みに思わずドキッとしてしまう私。
・・・どうやら男の人がふと見せる笑みに弱いようです。

どうもそのギャップに弱いせいか、嫌いと言えない自分か悔しい。

強引で我儘なだけの人なら拒絶出来るのに、変な所が優しくて真っ直ぐで、それが私を惑わせる。
魔法にかかったみたいに、自分の気持ちがゆらゆらと蜃気楼みたいにぼやけてしまう。

サイラス様への気持ちは、嘘じゃない。
でも、リューイ様を傷つけたくない自分がここにいる。



どうしたらいいんだろう。
どうすればいいんだろう。




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