帰り道



「まぁでもわかる。いい自分でいたいからあたしもほんとのことなんか伝えられないもん。

でも女の子ってそんな些細な言葉を望んでるもんなんだよ。

あたしが思うに高島さんはあたしに見せてる拓哉が格好悪いと思う本当の拓哉を見せて欲しかったんじゃないかな。

きっと些細なことだけど不安は少しずつ募るものだからさ。」


「凛にしては女らしいアドバイスありがと。でもうだうだ言ってももう終わったんだ、俺たちは。後悔ばっかだよ。これからは直すから‥なんて言って引き止めることすら出来なかったし」


「そう‥だよね。」


「情けねぇ‥。結構やっぱり辛いもんだな。こんなときってどうしてあいつの幸せそうな顔とか笑った顔ばっか思い出すんだろな。

こんなことになるならさ、ダサくても好きぐらい言ってやれば良かった」



無理して笑う横顔に一筋の涙が拓哉の頬をつたうのが見えた。


拓哉が泣くところを初めて見たような気がした。強がりな拓哉だからきっと見られたくないだろうと思ったからあたしはそっと立ち上がって部屋を出た。
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