帰り道
距離と温もり



パチッ


電気を付けてベッドにあたしを座らせる。


「昨日と逆だな」


ブレザーを脱いでネクタイを少し緩めながら隣に座る拓哉。


その仕草に少しだけドキッとする。


なんで拓哉に‥。



久しぶりに来た拓哉の部屋。

昔より整理されててさりげなくオシャレな物が色んなところに置かれてる。


でも場所違いのようにある勉強机がただひとつ懐かしかった。


こういうのがやっぱり高島さんの好みなんだろうな。


「相葉のことそんなに好きなんだな」


部屋を見渡していたあたしに拓哉は問い掛ける。



「‥うん」



「………」



沈黙が続く。


でもあたしと拓哉は昔からこんな感じ。



拓哉との沈黙はなんだか穏やかで少し落ち着く。


そういえばハルとは沈黙なんて滅多にないなぁ。


いつもあたしを笑顔にしてくれるもんね ハルは。



拓哉といてもハルを想うなんてあたし‥ほんと重症だ。
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