目には目を、歯には歯を
――あの女、結局出血多量で死んだのか……。
まぁ、そうだろうな。
うまく致命傷になる傷はつけなかったからな。
大きな動脈も避けて刺したし。

ジャックは、寝転がりながら、2日前のことを思い出してみる。

――本当に、女ってヤツは、バカばっかりだな。
しかも、酒が入って酔っぱらってる女は簡単すぎてスリルも何もない。
まぁ、その酔いが一気に醒めてく瞬間の顔は、見物だったがな。

監視の目に笑顔が見られないように、俯いてみるものの、どうしても笑みがこぼれて来てしまう。

ジャックは、部屋にあったテレビをつけると、笑えそうなバラエティ番組を選び、音量を大きくしてテレビの方を向いた。

顔はテレビのほうを向いているが、意識は自分の頭の中に向いている。

――やっぱり最高なのは、最初の一刺しの瞬間だな……

堪えきれずに、ジャックは身体を震わせて笑い出してしまった。

丁度テレビでは観客が爆笑するシーンだったために、おそらく監視員には気付かれなかっただろう。

ジャックは余計に可笑しくなっていた。


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