三日月姫



「三日月姫の…力って…?」



「いろいろあるわ。その人にもよるのよ。
私は、癒し…人の心、怪我を浄化する力だったわ。今はもうないけどね。」



「…私は?」


「まだわからないわ…でも…三月なら攻撃系の魔法じゃないかしら…波動…とか?」



波動……私が結構得意な部類かもしれない…



「…三日月姫の使命…って一体何なの?
何をしなきゃいけないの…?」



一番気になっている事だ。


私が、もし本当に三日月姫なら…


何をしなければいけないのか。





「…っ…それはっ…」


「星良、俺が話すよ。」


辛そうな顔をしたお母さんを見て、父さんが心配そうに背中をなでながら言った。



「三日月姫の力は、代々親子で受け継がれる。三日月姫が生まれ16歳になる日から、どうしてか…その国に災いが起きると言われているんだ。」



「民は…それを三日月姫の呪いと言う。」



三日月姫の呪い…?




「そして、三日月姫はその災いから民を…国を守らなければいけない。それが使命だ。」


「災いって…どんなことが起きるの?」



「今まで起きたのは…突然地が割れて…土地が崩壊したとか…冬には氷柱が国中に降ってきたりと…」


えぇ!?


なにそれ!こっわ!!




「そ、そそそ、それを三日月姫にどうしろと!?」



だってだって三日月姫だってできないことはあるよね!?


例えば、お母さんの力が癒やしだったなら…


何をどうして止めろと!?



「災いが起きた時にはかならず


『ムーンキー』という鍵がどこかに出現する。」


「それを三日月姫に代々伝わるブレスレットに通せば、災いは収まる。」



なにそのゲーム的な設定!?



「そしてムーンキーを6つ集めれば、使命は終わる。」


「でも、それを一人でやるのはさすがの三日月姫もキツイことだ。だから、魔術師という国のトップの力をもつ男のパートナーと一緒に戦うんだ。」



パートナー!?

そして戦うって!?

鍵を取ればいいんだから、簡単じゃん!


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