三日月姫
「…鍵のあるところには、それを守る魔獣が現れる。」
まままま!!
魔獣……!?
「それもかなり強い魔獣だ。
…命がけの戦いになる。」
そん、な……
「それを…お母さんはやってきたの?」
まだ、魔獣とか、ムーンキーとやらを私は見たことがないから…
どれだけ大変なことかは分からないけど
逃げてきたってことは…それだけ嫌だったことって事だよね?
すごく、大変だったんだ……
「えぇ、怪我もしたし、死にそうにもなった。でも、三日月姫だったから…仕方がなかったの…」
「父さんは、お母さんのパートナーだったんだ。お母さんをいつも…隣で見てた。すごく怖かっただろうに…頑張ってたよ。」
「そして私は、鍵をギリギリ全部集めたの。災いは収まった。でも…」
「あの世界にいたくなかった。怖くて…戦ってたことを思い出して…怖くて怖くて仕方がなかった。」
「だから、逃げたの。」
いつも、強くて、笑ってて、私を支えてくれるお母さんが…
「だからっ!だから…!!
三月には…三日月姫の使命なんてやらせたくなかった…っ!!」
目に溜まっていた涙が溢れだした。
どれだけ自分を大切にしてくれていたか…
身にしみた。
でも、だけど…
「私、やる。三日月姫の使命…やる。」