三日月姫



「どうして……?」



「だって、明後日からあの国では災いが起こるんでしょう?止められるのは私だけなんでしょう?」




「そんなの、やらないわけにはいかないよ。」




そうだよ


国の人がどれだけ怖い思いをするか考えると…


私はやらないといけない。




「ふふ、慶次。言ってたとおりね。」


「あぁ、言っただろ。三月は強いって。」



え?えぇ…なんのこと??


「え…っとー」


「きにしないで。
…大変な戦いになるわよ。三月が思っているより、大変よ。本当に…」



「やるよ、それでももう決めたから!」





『三日月姫様』



え…!?


突然声が聞こえたかと思うと、目の前の机に幼稚園児くらいの大きさの男の子が現れた。



「あら、リベル。ひさしぶりね。」


『星良様、お久しぶりでございます。
決意が決まったようなので、三日月姫様のお迎えに上がりました。』



リベルと呼ばれた男の子は私が朝聞いた声と同じだった。




< 16 / 45 >

この作品をシェア

pagetop